ソニー損保「入院実費型医療保険“ZiPPi(ジッピ)”」
- 健康保険の対象となる病気・ケガの実費負担分を補償してくれる保険
- 5年ごとに更新があり、加齢とともに保険料がアップする
- 他の医療保険と組みあせて保障を手厚くするなどの使い方もおすすめ
ソニー損保は2017年1月10日に、治療入院の際に負担した費用を保障する入院実費型医療保険「ZiPPi(ジッピ)」の発売を開始しました。テレビCMでは女優の内田有紀さんが起用され、新しいタイプの医療保険として魅力を紹介しています。
この保険は従来の日額払いの医療保険とは異なり、病気やケガの種類に関わらず公的医療保険制度を利用して入院した場合に実際に医療機関に支払った入院治療費の全額が保障される実費補償型保険です。申し込み方法をインターネットに限定することで1回あたりの支払い保険料が抑えられており、実際にかかった入院治療費の自己負担分を保険金として受け取れるので合理的で無駄の少ない医療保険です。
また通常の医療保険のように入院1日当たりの保障額を考える必要もなく保障もシンプルなので、最低限の医療保障を備えておきたい方や現在加入中の終身医療保険に上乗せして入院保障を厚くしたい方におすすめです。
「入院実費型医療保険“ZiPPi”」のポイント
- 入院治療費の自己負担分(3割)を保障
- オプションで保障を厚くすることが可能
- 保険期間5年の定期型
- インターネット限定商品
- 無料の付帯サービスがある
- 生命保険料控除の対象
ポイント
この保険では、病気やケガ(公的医療保険の対象)での入院治療費における自己負担分(3割分)が保障対象となります。通院治療は保障対象外ですが、ケガや病気・がん・女性特有の病気や出産時の帝王切開などの入院にかかる自己負担分に対して保障されます。
保険金は入院時の領収証の「診療報酬点数×3円」で計算され、1か月20万円(1入院につき120万円・保険期間を通じ720万円)を限度として受け取れます。
例えば70歳未満(負担割合:3割)の方が1か月に100万円の医療費がかかった場合、窓口での医療費負担は30万円となります。この時点では給付金の1か月限度額の20万円を超えておりマイナスが生じます。
ただし実際は高額療養費制度で約21万円が支給されるので、実際の自己負担額は約9万円となり、保険金の受取限度額が1か月20万円でも十分にカバーすることが出来ます。
この保険の基本保障には公的医療保険制度の保険給付の対象とならない食事療養費や差額ベット代などの費用は含まれませんが、通常の医療保険では保障されない不足する部分も特約(オプション)を追加することで入院時の思いがけない出費に対応することが出来ます。
zippiのオプション保障 | 概要 |
---|---|
入院時差額ベット代 | 個室や少人数部屋利用時の室料等の差額ベット代の実費を保障 (入院1日に付き限度額;6,000円または12,000円) |
入院時諸費用 | 入院日数に応じ1日につき1,000円を保障 |
先進医療 | 先進医療の技術料と同額を保険期間を通じて2,000万円まで保障 (対象となる療養や医療機関に条件あり) |
入院中の個室や少人数部屋利用時の室料等の差額ベット代は全額自己負担となり、差額ベット代の1日の平均額は6,155円です。この「入院時差額ベット代」保障は、プライバシーが気になり個室を利用したい方や他人に気兼ねなく治療に専念したい方などは追加しておくと安心です。
また入院時には治療費以外に食事代(入院時食事療養費)・シーツ代・テレビカード代・交通費といった諸費用が発生したり、全額自己負担となる先進医療で治療を受ける場合は治療費が高額になる可能性もあります。
このような入院治療費以外の自己負担となる出費に備える保障は基本保障には含まれておらず特約で追加する必要がありますが、追加保険料は20代~30代の方であれば月々数百円程度なので入院時の経済的負担を軽減したい方や他の医療保険に加入していない方は追加して保障を厚くしておくと良いでしょう。
またこの保険は見積もりから申し込みまでインターネットで完結でき、保険期間も定期型なので保険料が安くなっています。男性の場合20代で加入すると1回あたりの保険料は1,000円未満なので手軽に加入することができ「今必要な保障を選べる」という点で一定期間保障を厚くしたい方や病気やケガのリスクが少ない間は保険料を抑えたい方に向いている医療保険です。一方、保険期間は5年で更新を迎え、保険料は更新時の年齢で再計算され値上がりするので長期的な保障が必要な方にはあまり向いていません。
更にこの保険に加入している被保険者であれば、無料でセカンドオピニオンを受けたり優秀専門臨床医を紹介してくれるサービスを利用できます。また契約者の方であれば、専用サイトで医師に匿名で健康相談が出来るサービスを利用できるなど付帯サービスが充実しています。
ZiPPi(ジッピ)の保障内容と保険料
項目 | 概要 |
---|---|
保険期間 | 5年(自動更新)最長満80歳で終了 |
保険料払込期間 | 保険期間と同一 |
契約可能年齢 | 保険始期日時点で満20歳以上満69歳以下 |
加入条件 | ・今までにがん(悪性新生物や上皮内新生物)にかかったことのない方 ・健康状態や職業、他の同種の保険契約の加入状況により制限がある ・国内居住者のみ。(海外に居住予定のある人は申し込み不可) |
基本保障 | 入院治療費を保障(限度額:1か月20万円) 公的医療保険制度における保険給付の対象となった入院中の療養に係る診療報酬点数×3円が給付される |
主な特約 (オプション) |
・入院時室料差額ベット代(個室・少人数部屋の室料) ・入院時諸費用 ・先進医療 |
契約日の満年齢 | 保険料 | オプション | |||
---|---|---|---|---|---|
入院時 差額ベッド代 |
入院時諸費用 | 先進医療 | |||
男性 | 20歳 | 836円 | 376円 | 104円 | 112円 |
30歳 | 1,065円 | 395円 | 112円 | 112円 | |
40歳 | 1,574円 | 518円 | 112円 | 112円 | |
50歳 | 2,837円 | 1,119円 | 195円 | 112円 | |
60歳 | 4,785円 | 2,424円 | 616円 | 112円 | |
女性 | 20歳 | 975円 | 456円 | 121円 | 112円 |
30歳 | 1,239円 | 747円 | 204円 | 112円 | |
40歳 | 1,461円 | 781円 | 217円 | 112円 | |
50歳 | 2,052円 | 1,013円 | 289円 | 112円 | |
60歳 | 3,305円 | 1,538円 | 395円 | 112円 |
ZiPPi(ジッピ)と実費補償型医療保険と医療保険の比較
保険商品 | ZiPPi(ジッピ) (ソニー損保) |
みんなの健保2 (富士火災) |
新CURE(キュア) (オリックス生命) |
---|---|---|---|
保険種類 | 入院実費型医療保険 | 実費補償型 医療総合保険 |
医療保険 |
基本保障 (補償) |
・入院時治療費 | ・入院時治療費用保険金 ・入院諸費用保険金 ・入院保険金(日額)手術保険金 上記3つの基本補償のうちいずれか1つ以上を選択可能 ・診断書取得費用(限度額:1万円+消費税) |
・入院保障 ・手術保障 ・先進医療保障 |
特約の種類 (保険金) |
・入院時差額ベッド代 ・入院時諸費用 ・先進医療 |
・先進医療費用保険金 ・がん入通院治療費用保険金 ・特定疾病診断保険金 ・女性特定疾病入院一時金 ・がん診断保険金 ・がん入院保険金 ・葬祭費用保険金 |
・重度三疾病一時金特約 ・がん一時金特約 ・がん通院特約 |
更新 | 更新あり | 更新あり | 更新なし |
加入年齢 | 満20歳以上満69歳以下 | 0歳~満89歳まで | 60歳払済:0歳~55歳 65歳払済:0歳~60歳 終身払:0歳~80歳 |
保険期間 | 5年 | 10年 | 終身(一生涯) |
支払事由 | ・ケガ、がん、がん以外の病気、女性特有の病気で公的医療保険制度を利用して入院した時 → 入院中の診療報酬点数×3円、支払限度額:1か月につき20万円まで、保険期間:通算1095日まで | ・入院時治療費用保険金(公的医療保障制度を利用して入院した時)→ 入院中の診療報酬点数×3円、支払限度額:1入院につき120万円まで、1回の入院につき365日まで、保険期間:通算720万円まで ・入院諸費用保険金 → 入院時の差額ベット代やベビーシッター雇用費用など ・入院保険金(日額)手術保険金 → 入院した時、手術を受けた時 |
・病気、ケガで入院した時 → 日額:5千円~ ・所定の手術を受けた時 → 1回につき:入院中10万円~ :外来2.5万円~ ・先進医療による療養を受けた時 → 先進医療にかかる技術料と同額 |
ZiPPi(ジッピ)は「入院すること」が条件となっており、入院の際に医療機関に窓口で支払った入院治療費を保険金として受け取れます。差額ベット代や食事療養費は基本保障には含まれておらず、他の実費補償型医療保険に比べ保障がシンプルな分保険料は安くなっています。
また保険期間が5年の更新型なので、保険料を安く抑えながら最低限の入院保障を備えておきたい若い世代の方や短期間だけ入院保障を備えておきたい方に向いている保険です。他の終身医療保険と組み合わせて加入すると、治療に専念できたり安心した入院生活を送ることができます。
一方、通常の医療保険の基本保障には入院と手術の保障があり、給付金の金額は定額で決まっています。保険期間は終身型のものが多く、ZiPPiに比べて保険料が高くなっています。また差額ベット代や食事療養費・入退院時の交通費などの諸経費は日額で給付される金額で賄う必要があります。
入院によるリスクは年齢やライフスタイルの変化によって変わるため、終身型の医療保険の場合はそれらの変化に応じて保障額や保障範囲を定期的に見直す必要があります。無料で利用できる保険相談では、医療保険をはじめさまざまな生命保険に詳しいFPがおすすめの保険をアドバイスしてくれます。現在の保障内容を見直したい方は一度利用されることをおすすめします。
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