保険金の請求方法
- 保険会社に連絡して請求しないと保険金や給付金はもらえない
- 必要な書類が揃った時点から45日以内の支払い期限がある
- スムーズに保険金や給付金を受け取るために、必要な手続きを済ませ書類を準備しておく
保険金・給付金請求の重要性
保険会社では契約者や受取人からの連絡がない限り「保険金の対象となる入院・手術を受けた」「被保険者が亡くなった」という事実を把握することができず、保険金や給付金を支払うことはありません。
例えば、支払い対象の保険に入ってたことを知らずに保険金受取人が請求しなかった場合や請求するのを後回しにして忘れていた場合は、いつまで経っても保険金や給付金を受け取ることが出来ません。せっかく保険に加入していても、保険会社に連絡しなければ加入している意味がありません。
また一般的に保険金の請求には時効があり、支払事由が発生してから3年間となっています。保険に加入してから年数が経過していて保障内容を忘れてしまった場合や保険金の請求対象になるのか不明な際は、保険会社や保険の担当者に確認することが大切です。
保険金・給付金の請求方法の流れ
1.生命保険会社へ連絡する
まず保険会社のコールセンターか保険の代理店、または保険の担当者に連絡します。一般的に入院や手術をした場合は、請求の対象となる手術や入院が終わってからの請求となります。
ただし、長期の入院になる場合は入院途中でも請求することができます。また加入している医療保険の保障対象外になる場合もあるので、連絡時には正式な病名や手術名、手術日や入退院の日程などについても可能な限り詳しく伝える必要があります。
一方で死亡保険金の請求は、葬儀の段取りや役所への各種届け出など遺族にとってするべきことがたくさんあります。亡くなって2か月程度過ぎてから死亡保険金の請求を始めることが一般的ですが、保険金の受取人が手続きをスムーズに進めるためにも生前から保険会社や担当者、保険内容や保険証券の保管場所などを伝えておくことが大切です。
2.医師に診断書の依頼をする
保険会社に連絡すると、保険会社から請求に必要な書類が送られてきます。例えば入院や手術の給付金を請求する場合は、保険会社所定の用紙に医師により診断書を記入してもらう必要があります。
この診断書は医療機関にもよりますが1通5,000円~複雑なもので15,000円の費用がかかるので、複数の保険会社の医療保険に加入している場合は、他社の所定用紙で記入してもらった診断書の写しでも対応してくれるのか事前に保険会社に確認しておくとよいでしょう。
また保険会社や給付金の内容にもよりますが、手術を伴わない入院の際は医師による診断書が不要な場合もあり、入院を証明するものとして医療機関の領収証で対応してくれる場合もあります。一方で死亡保険金を請求する場合は、死亡診断書または死体検案書が必要となります。
病院や自宅で病死した場合は担当医師やかかりつけ医師により死亡診断書が作成され、その費用はおよそ5,000円~10,000円かかります。また事件や事故によって亡くなった場合は監察医により死体検案書が作成され、費用はおよそ30,000円~50,000円かかります。
3.保険会社へ書類を提出する
保険会社から送られてきた書類に記入し捺印したうえで、診断書や本人確認書類などの必要書類と共に保険会社に返送します。その際に記入漏れなど書類に不備があれば、保険金受取りまでにさらに日数がかかるので注意が必要です。
4.保険会社の審査
保険会社では送られてきた書類をチェックし、保険金や給付金の支払い対象の手術や入院なのか、告知義務違反に該当しないか等を審査し保険金の支払い可否の判断をします。審査が通れば給付金や保険金が支払われます。
5.保険金・給付金が支払われる
通常、保険金や給付金の支払いは書類が保険会社に到着した日の翌日から5日(土日祝日・年末年始を除く)以内と定められており、その期限を過ぎると遅延利息が支払われることとなっています。
しかし、支払事由の発生の有無の確認や特別な照会や調査が必要な場合は、書類が到着した日の翌日から起算して180日に延長されることがあります。一般的に、無事に審査が通れば1週間程度で保険金受取人の指定口座に保険金や給付金が振り込まれます。
- 保険金・給付金の支払い事由発生の有無の確認が必要な場合
- 保険金・給付金の支払対象にならない可能性がある場合
- 告知義務違反の可能性がある場合
- 保険金・給付金を詐欺または不法取得目的に該当する可能性がある場合
確認が必要な場合・・・支払期限45日
- 弁護士法に基づく照会その他法令に基づく照会
- 専門機関による医学または工学等の科学技術的な特別調査・分析・鑑定
- 警察・検察等の捜査機関または裁判所に対する照会
- 日本国外における調査
特別な照会や調査が必要な場合・・・支払期限180日
請求に必要な連絡事項と書類
保険会社に保険金や給付金を請求する際に必要となる書類や連絡事項は以下の通りです。
項目 | 入院・手術等の給付金請求 | 死亡保険金の請求 |
---|---|---|
保険会社に 連絡する人 |
被保険者=保険金受取人 | 保険金受取人 |
保険会社への 主な連絡事項 |
保険証券番号 入院・手術等をした人(被保険者)の名前 病気・事故等の請求原因 入院・手術・通院等の請求内容 傷病名・手術名 受傷日・手術日・入退院日などの日付 |
保険証券番号 亡くなった人の名前 亡くなった日 病気・事故等の亡くなった原因 保険金受取人の名前 保険金受取人の連絡先 |
請求時に 必要となる書類 |
給付金請求書 入院・手術等診断書・証明書 医療機関の領収証(医師の診断書が不要な場合) 事故状況報告書(災害入院給付金を請求の場合) |
保険証券 死亡保険金請求書 保険金受取人の戸籍謄本 保険金受取人の印鑑証明 被保険者の住民票 死亡診断書または死体検案書 事故状況報告書(災害入院給付金を請求の場合) |
保険金や給付金の請求は保険金受取人が行うことが原則ですが、被保険者が保険金受取人となっている給付金請求の場合は事前に保険の契約者があらかじめ代理人を指定できる制度があります(指定代理請求制度)。
また長期的な入院や治療が必要な場合は、入院・治療の途中でも給付金の請求をすることができます。ただし入院証明書や医師の診断書など、費用のかかる書類を給付金請求の都度必要となる場合もあり保険会社によって対応は様々です。診断書や証明書などは有料なので、不明な点がある場合は保険会社や保険担当者などに確認しながら請求時期を検討しましょう。
参考URL:住友生命『死亡保険金・給付金などのお支払期限について』
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