生命保険に加入できない職業とは?
- 公平負担の原則から命に危険が伴う職業の人は加入制限を受ける
- 職業や制限額は保険会社によって異なる
- 転職したり無職になった場合、保険加入を継続できるかを確認しておく
生命保険に加入できない職業
生命保険に加入する際は「健康状態」や「病歴」・「職業」などを申告する義務(告知義務)があり、保険会社の審査に通らなけば加入できません。審査が必要となる理由は、生命保険は大勢の人がお互いに助け合う「相互扶助の関係」になっているので、死亡率が低い人と高い人の支払う保険料が同額では平等であるとは言えないからです。
したがって健康状態や年齢・性別・職業によって保険料や保障額が異なっています。このように生命保険は誰でも加入できる訳ではなく、保険会社の審査に通った人だけが加入できるのです。
中でも職業に関しては、危険な業務の職業に携わっている人は一定の制限を受けてしまいます。保険会社によっても危険業務とみなす基準が違い、加入制限も保険会社によって様々なので全く加入できない職業はほとんどありません。もし職業が理由で保険会社1社に断られたとしても、他の保険会社では加入できることもあるので複数の保険会社で確認してみましょう。
加入制限を受ける職業
保険会社によって危険な職業とみなす基準は様々ですが、危険な職業に該当すると判断した場合は以下の措置をとられることがあります。
- 加入を断られる
- 保険金や給付金の支払い額に制限を設けられる
- 支払い保険料が高く設定される
- 特約の付加ができない
- 仕事によって被ったケガは保障の対象外
ポイント
事務や営業のサラリーマンに比べ、工事現場で働く人や船や飛行機に乗っている人は命の危険度が高い職種と言われています。生命保険や医療保険で制限を受けやすい職種の具体例は以下のようになっています。
- 自動車・バイクレーサー
- スタントマン
- 登山家・探検家
- プロレスラー・プロボクサーなどの格闘家
- テストパイロット・テストドライバー
- サーカス団員・曲芸師
- 猛獣取扱者
- アイスホッケー選手・ラグビー選手などの一部のスポーツ選手
危険度が高く加入を断られる可能性が高い職種
- 航海士・船舶機関士・船舶乗務員・海女
- 坑内員・炭坑夫・石材・土砂採取作業者
- 土木・建築作業者(建築塗装工・とび職・大工・地下作業員)
- 花火師・爆破作業者
- 高圧線作業者・送電線架線工
- ガードマン・警備員・交通誘導員
- 潜水作業員・ダイバー
- タクシー・トラックなどの運転手
- パイロット・客室乗務員・航空機搭乗員
- 競輪選手・競艇選手・競馬騎手・相撲力士
- 消防士・レスキュー隊員
- 高所ビル外壁清掃員・エレベーター整備士
- 林業従事者
加入はできるが保障額に制限を設けられる職種
同じ保険会社であっても保険の種類によっては職業に制限がない保険(一時払い終身保険や一時払い個人年金保険など)もあります。また、かんぽ生命ではもともと保険金額に制限を設けているので、職業による制限はありません。一方で、損害保険では被保険者の職業別に区別されており、同じ補償額でも保険料に違いがあります。
職業が変わった場合の注意点
生命保険の保険期間中の転職は基本的に申告する必要はありませんが、加入時の職業から転職して危険度の高い職業に就いた場合などは、契約を今まで通り更新できないことがあるので保険会社への申告を忘れてはなりません。例えば、加入時は事務職だったのに登山家やレーサーなどの保険加入を認められない職種に変わった場合です。
転職した仕事内容にもよりますが保障額に制限がついたり保険料が高くなることがあり、申告せずにいると告知義務違反と判断され保険金が支払われない可能性があります。また損害保険では職業別に補償額や保険料が変わってくるので、転職の際の申告は義務付けられています。
さらに転職ではなく無職になった場合、保険料を支払い続ける余裕資産があったり、主婦や学生など家族が保険料を支払うことができる場合には保険を継続することができます。無職になって収入がなくなると、新しい保険に加入することが難しくなる点を覚えておきましょう。
参考URL:かんぽ生命『職業による加入制限はありません』
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